「熱は低いほうから高いほうには伝わらない」
ってことっす。
・・・(あたりまえw)・・・ってかんじですよね。熱が低いほうから高いほうに伝わるわけがない。
で、この法則って当たり前すぎるので、華麗にスルーされちゃってるんですが。今日はそれについて加熱調理の観点であらためて確認してみようじゃないかってお話です。
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熱力学第一法則を考えてたら、熱力学の第二法則が出てきたw
前回、「熱力学の第一法則」についてカクニンしましたね。別名「エネルギー保存の法則」ってやつです(過去記事 加熱調理に法則ってあるの?~熱力学の第一法則についてカクニンしましょー~ 参照くださいませ)。ま、簡単に言ってしまうとこんな感じで、全部同じ意味です。・「ねね、加熱しただけ素材の熱エネルギーが増加するの、アタシ的にアツいんだけどw」、とか
・「ねぇ、しってる?最近ってー、前と後でエネルギーって保存されちゃうんだってさー」、とか
・「へぇ、じゃ、うちらがガンガン働いたらバンバン儲かっちゃうじゃんねw、超ウケる」、とかね
で、このエネルギーの保存の法則を勉強してる女の子とか、熱について勉強してる男の子たちも、ある日に疑問にぶつかったわけです。
・「オレまじすげぇw。熱力学第一法則もエネルギー保存の法則もちゃぁんと理解したっぽい!」
・「まぢ!?でも、この法則使ってずっと動き続ける機械とかを発明したオレってまぢSUGEE?」
・「うそ!!!じゃ、オレ、そのファンタジーな機械で特許取ってくるからちょっと待っててね!」
この疑問ってとってもシンプルで、「エネルギーが保存されるなら、未来永劫そのエネルギー使い続けようぜ!」って疑問に至ったわけです。やかんでお湯を沸かすときの例えでいうと、「沸騰したやかんをコンロにおいたら、水と都市ガスを作れるんじゃね!?」ってねw。だって、エネルギーって保存されるんでしょ?みたいなw。この疑問は、別名「永久機関」とか呼ばれたりします(←ググってみてくださいね)。
で、この疑問の答えは「否」です。だって・・・
「熱は低いほうから高いほうには伝わらない」んだもんw。
そうなんですよね。熱って伝わる方向は一方通行なんです。低いほうから高いほうには伝わらないんです。で、これが熱力学の第二法則が出てきちゃうきっかけなのでした。ま、世の中一般的には、熱力学の第一法則から生じる永久機関の疑問に対して、「否」の答えを理論的に証明するために、熱力学の第二法則が使われてます。でもでも。それだけじゃないんじゃね?もっとちゃんとした意味があるんじゃね?って思っちゃったのが僕ですw。ってことで、「熱は低いほうから高いほうには伝わらない」って法則の意味、ちゃんと確認してみます。
「熱は低いほうから高いほうには伝わらない」、っていう法則
これ、「熱力学の第二法則」です。別名、「悪銭身につかず」の法則、あ、ちがう、「CLAUSIUS(クラウジウス)の原理」とか「TOMSON(トムソン)の原理」とか「エントロピー増大の法則」とか呼ばれてるやつです。じゃ、丁寧に一歩ずつ、「熱力学の第二法則」の「意味」を確認しましょうか。
「熱は低いほうから高いほうには伝わらない」
うん、やっぱりあたりまえw。じゃ、こんな風に表現するとどうでしょう?
「熱は高いほうから低いほうに(勝手に)伝わっちゃう」
うん、まだまだあたりまえw。じゃ、さらにこれだとどうでしょうかしら?
「高いほうの熱って低いほうに(無理やり)奪われちゃうんだよ」
あれ?なんかちょっと不安になってきたw。じゃ、さらにこれだとうどうでしょう?
「沸騰したお湯(高いほう)に冷蔵庫から出したての
生パスタ(低いほう)入れたらどうなると思う?」
お!?確かに。お湯の温度下がってゆで時間おかしくなるじゃんw。
ってかなんかつかめそうな気がしてきたぉw。
「180℃の油(高いほう)に20℃のえび天(低いほう)を入れたら、
油の温度が下がっちゃうけど、大丈夫?」
確かに、えび天に集中してたから、油の熱の移動なんてまぢめにちゃんと考えてなかったぉ。
「油の温度が下がると、油は鍋から熱を奪っちゃって、
で、鍋の温度が強制的に下がっちゃうけど、大丈夫?」
なるほど、言いたいことがだんだんわかってきたぉ。
「中はぷりぷりで外はサクッっとしたえび天を揚げるためには、
油の温度管理と鍋の温度管理が大切なんだけど、大丈夫?」
はいはい、わかりました。そーですね。
「料理とかレシピに合わせて、正しく熱を貯めて熱を伝えるための鍋、選んでます?」
熱力学の第一法則・第二法則を勉強した後だから、
ちゃんと確認しておきたい加熱調理の3つのポイント
ちょっと回りくどい書き方でしたねw。んが、これが熱力学の第二法則なんです。ある二つの物体に温度差があって、それが接触すると熱って勝手に伝わってしまうんです。温度が高いほうは、熱を奪われちゃって温度が下がってしまって、で、温度が低いほうは熱を奪っちゃって温度が上がる。で、加熱調理の大切なことは、温度の低いほう(ま、だいたいは素材ですね)のことよりも、むしろ、温度の高いほう(鍋とか油)のことを考えてあげなきゃいけないってことなんですよ。そして、これがかなり難しかったりするんです。ま、そこが料理の面白さでもありますがw。
で、この熱力学の第一法則と熱力学の第二法則を組み合わせると、加熱調理で考えなきゃいけないことって3つあるんです。そりはこの3つです。
・ポイント1:温度の高いのと低いのと、どれがどれなのか、入り組んだ関係、おさえてる?
・ポイント2:温度の高いほうから低いほうにどうやって熱が伝わってるのか、おさえてる?
・ポイント3:温度の高いほうが、ずっと温度の高いままでいるためのやり方、おさえてる?
では、えび天でも作りながら、
加熱調理の3つのポイントを確認しましょう
ってことで、この加熱調理の3つのポイントを確認するために。えび天を揚げてみましょうか。じゃ、いつも通りえび天を作る手順から確認ですね。・えびの皮を「ぺりぺり」って剥いて。
・ついでに背ワタも「ちゅるっ」と取り除く。
・小麦粉に卵を「ぱかっ」って割リ入れて。
・で、水を「ドバー」っていれて。
・おはしで「カラカラ」って混ぜる。
・天ぷら鍋に油を「ドボドボ」入れて。
・コンロで「ボー」って加熱して。
・お、「ぼちぼち」かな?ってタイミングで。
・衣を油に一滴「ぴとっ」て落としてみる。
・衣が鍋底に「ピュー」ってたどり着かずに、
・「プワァ~」って浮かび上がってきたらOK。
・いよいよえびを衣に「ドボッ」っとつけて。
・天ぷら油にえび天を「エイヤー」って投入。
・「ジュー、ジュワジュワ」って音の後に。
・「ブツブツ、プツプツ」ってなってきて。
・「パチパチ」ってなったらえび天を取り出す。
・噛んで「サクッ」って音がするか味見して。
・ちょっとだけビールを「グビッ」っといくw。
で、いつものごとく、注目するのは一つの工程だけw。
・天ぷら鍋にえび天を「エイヤー」って投入。
ポイント1:温度の高いのと低いの
まずはポイント1を抑えましょう。天ぷら鍋にえび天を投入した状態で、温度の高いのと低いのってどれかわかります?ま、難しい話じゃないですよね。温度の高いのは油。温度の低いのがえび天。
あれ?もっと厳密にいうと、実はまだまだありそうだぞ。例えば鍋(高)と油(低)とか、油(高)と空気(低)とか。 そうなんです。熱って、勝手に高いところから低いところに伝わってしまいます(熱力学の第二法則)。温度差があるところに熱の移動あり、なんですw。で、その温度の序列をつけるとどんな感じかというと、こんな順番です。
天ぷら鍋 : 260℃~300℃
天ぷら油 : 180℃
えび天 : 20℃
空気 : 20℃
で、この登場人物の間で、「温度差」と「接触」があると、熱が勝手に高いところから低いところに伝わってしまうんです。天ぷらやってるときの熱の移動は、この4種類ですわね。
・天ぷら鍋→天ぷら油
・天ぷら油→えび天
・天ぷら鍋→空気
・天ぷら油→空気
この登場人物の関係と、熱の移動の方向がわかってしまえばポイント1はクリアです!
ポイント2-1:熱の伝え方(油→衣)
じゃ、次はポイント2。熱の伝え方をおさえておきましょう。最初は、一番わかりやすい「えび天にどうやって熱が伝わっているか」を確認しましょうか。
高温の油にえび天をほり込むと、まずは衣が油にさらされちゃうんですよね。衣にしてみたら大やけどっすw。で、ここで何が起きてるかっていうとこんな感じ。で、これは結構あっという間にできちゃう。
・衣の中の水分のところに高温の油が入り込む。
・で、高温の油が衣の中の水にいっぱい熱を与える。
・すると、水が蒸発して衣の外に水蒸気として出ていく。
・もともと水がいたところに油が入り込む。
・水と油の交換が行われて、サクサクジューシーの衣の完成。
・もうしばらく入れておくと・・・衣が焦げ始めるw。
ってことで、「ジュワ」とか「プツプツ」とか「パチパチ」って音は、水が蒸発するときの音っすw。
ポイント2-2:熱の伝え方(衣→えび)
えびの内側ってのは衣に包まれてるので、高温の油に直接触れることはありません。じゃ、どうやって中まで火が通るのか?それは、衣の表面の熱がえびの表面、えびの中、えびの中心へと、えびの組織を通じて伝えられるんです。この熱の移動は、ゆっくり、じょじょに、じわじわね。完全に火を通すためには時間がかかります。一方で、時間をかけちゃうと衣が焦げる。このジレンマの中で最適な油の温度管理ってのが求められちゃうわけです。揚げ物って難しいですねw。
ポイント2-3:熱の伝え方(鍋→油)
一方で、えび天に熱を奪われた油はどうなるんでしょう?最初は180℃だったけど、どんどん温度が下がります。最初にえび天に触れちゃった油は20℃まで下がります(理論的にねw)。えびの衣が180℃にならない限り、えび天に触った油は温度が下がり続けてるんです。じゃ、そんな温度が下がった油はどうなるのか知りたくないですか?ってことで、油兄弟の頑張りっぷりを追いかけてみましょう。
油兄:「お、なんか来たぞ!あ、あれはえび天のやろうじゃねーかー」
油兄:「飛んで火にいるってやつだな、いい根性してやがる、体当たりだー!」
油弟:「兄ちゃん、漏れもついていくからちょっとまってくれ~」
油兄:「おうよ、しっかりついてこいよ、弟!」
油弟:「兄ちゃん、前見て!もう目の前にえび天やろうの衣があるぉ~」
えび:「でたなぁ~、おじゃまむしめー!これでもくらえー」(ばいきんまん風)
油兄:「てやんでぇ、これくらいの衣でビビッてらんねぇぜ。すぐに蒸発させてやるさ!」
油弟:「あぁ~、にいちゃん、熱がどんどん奪われて元気がなくなってるじゃない(涙)!」
油兄:「な、なかなかやるじゃないか、衣のやつ。。。お、おい弟、しばらくここを頼むぞ!」
油弟:「に、にぃ~ちゃぁ~ん、どこに行くんだよ~」
油兄:「ちょっと一回潜って、鍋さんにから元気をもらってくるよ、それまでまってろぃ!」
油弟:「よくもにぃ~ちゃんを~、えび天のやろー、これでもくらえー、体当たりだー!」
油兄:「な、な、鍋さん、えび天に熱を奪われて元気がでないぃ~・・・」(アンパンマン風)
天鍋:「なべにーさーん、あたらしいねつよー!、うけとってー!!」(バタコさん風)
油兄:「(タッタラッタラッターター)元気100倍、あぶらにーさん!」(アンパンマン風)
兄弟:「ダブルパーンチ!」
えび:「バイバイキーン」
この油兄弟の話が分かればポイント2はクリアです。この話が分からなくても、アンパンマンを知ってたらクリアってことにしますw。
ポイント3:温度を高く維持する方法
じゃ、最後のポイント。温度を高く維持する方法。アンパンマンの話が出たのでそのノリで話しちゃいますね(天ぷら=ばいきんまん、油=アンパンマン、鍋=ジャムおじさん・バタコさん)。天ぷらを揚げるためには、いや、ばいきんまんをやっつけるためには何が必要か?それはやっぱり強い油、いや、アンパンマンなんですよね。でも、アンパンマンだけだと頼りないでしょ!?ってことで、しょくぱんまんもカレーパンマンも、なんならメロンパンナもクリームパンダも、最終的に僕が大好きなロールパンナちゃんも、全員集合しちゃうくらいたくさんいたほうがいいんです。
でも、やっぱりそれだけじゃ持たないんですよね。天ぷらの素材をじゃんじゃん入れちゃう人っていますものね。時にはドキンちゃんもやってくるし、かびるんるんもそこそこ強いしw。
こうなってくると、油そのものをちゃんとあっためる鍋が必要なんですよね。しかも、そんな簡単に温度が下がるような鍋じゃなくて、ずっと高温を維持できる鍋。やっぱり最後はジャムおじさんとバタコさんなんです。
駄文が過ぎました、すいません;
ここまで読んでくださった方、おつきあいありがとうございます。それにしても今日は駄文が過ぎました。熱力学の第二法則からアンパンマンまで飛んじゃったこと、すいません;で、今日お伝えしたかったことは、やっぱりジャムおじさんとバタコさんは味方につけたいですよね!ってことなんです。いや、簡単に温度が下がるような鍋じゃなくて、ずっと高温を維持できる鍋を手元においておきたいですよね!ってことなんです。ってことで、鍋について紹介していきます!
繰り返し、いつも長文・駄文におつきあいくださりありがとうございます。
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